
気がつけばフェードアウト? ビデオカメラの歴史を振り返る
2/7(月) 8:04配信
JVCケンウッドが2月1日、2022年3月期 第3四半期の決算説明資料を公開した。それによれば、民生用ビデオカメラの生産は2021年10月に終了しており、そのリソースを別の成長事業へシフトしていくという。
まだやってたのか、と思われた方も多いと思う。確かに昨今、他社も含めビデオカメラの新製品が出ていないため、とっくに事業終了したと思っているかたも多いと思うが、新製品を出していないから事業が終わっているわけではない。旧製品を製造して出荷し続けている限りは、企業にとっては事業終了ではないのだ。
したがってJVCケンウッドの生産終了は、在庫があれば最後まで出荷はするだろうが、なくなり次第事業終了と受け止めていいだろう。
民生用ビデオカメラは、日本が圧倒的大差で世界をリードした分野だった。国内の家電メーカーは、ほとんどビデオカメラに参入した。パッと思いつくだけでもソニー、パナソニック、キヤノン、JVCケンウッドはかたいところだが、シャープ、日立製作所、東芝、三菱電機、三洋電機も過去に製品があった。
ここにご紹介するのは,小型ハンディカム初となる,3CCDを搭載した製品です。DCR-TRV900と言う型番になります。
1998年7月30日にプレスリリースされ,実質的にこのTRV900が世界初の家庭用カムコーダーに3CCDを搭載したモデルとなりました。
3CCDとは,光の3原色(R.G.B)を各々独立して撮像することで高解像度と忠実な色再現性を実現する“3CCDカメラシステム”を採用したものです。
CCDは画像を読み込む際に,インターレース/プログレッシブ2つの方式を 任意に切り替えることができ,動画・静止画各々に最適な撮影を実現します。
例えば,インターレース方式を選択すれば放送方式(NTSC)に適した動画撮影を実現でき,また,プログレッシブ方式では,ブレのない鮮明な静止画を撮影することができるとともに,パソコンへの取り込みにも適しています。
また,レンズを動かすことにより,光学的にブレを補正する“アクティブレンズ方式手振れ補正機能”を新たに搭載。画質劣化のほとんどない安定した映像の撮影を可能にするとともに,レンズ部の省スペース化を図り本体の小型化を実現しています。・・・ソニーの報道資料からです。

今は小型でハイビジョンのビデオカメラで簡単にホームビデオを撮影できます。
でも昔は小型になる事自体が高いハードルでしたね。1986年に発売されたビクターのVTR一体型ビデオカメラGR-C7。
ビデオカメラのキャッチコピーが「どこでも気軽にビデオ撮りができる夢のようなムービーです」というものでした。重さ約1.3kgでした。

録画用のビデオテープはVHS-Cでした。1985年にはソニーはCCD-V8と言う8mmビデオテープに記録するカメラ一体型ビデオを発売しました。重さは1.97kgでした。
VHS-Cや8mmビデオ(後のHi8など)やBetaなど様々なビデオカメラが出回っていましたね。あなたの子供ころの撮影したテープは保管されていませんか。懐かしい映像をすぐに見ることができて,DVDに変換すると便利ですよ。
サウンドフィルムを使用しますと,サウンドの編集機が必要になりました。私はGOKOのRM-3Dを使用しました。
《GOKOの歴史的製品紹介》から
従来の8ミリフィルムカメラには録音機能がなく無声ムービーであったため、編集時に音声を気にする必要がなく、フィルム給送を定速で行う必要はありませんでした。
また、当時の編集機は原則として手回しであり、フリッカーの強い4角プリズムを使用した当時の編集機であっても、早回しをしながら編集をすればフリッカーによる見にくさは解消され、また編集箇所を探し出す時間の短縮という意味でも早回しの方が好都合でもありました。
しかしその後、8ミリフィルムに音声を録音できる「サウンドカメラ」が市場に普及しはじめると、録音された音を正確に聴き取るため、定速(18コマ/秒)でのフィルム給送が必要となってきます。しかし、4角プリズムを使用した編集機で定速給送をした場合、音は正確に聴き取れても映像にはフリッカーが強く、観るに堪えないものとなってしまいます。これをスムーズな映像にするためには最低16面体プリズムが不可欠でしたが、16面体プリズムは研磨が通常の研磨機では困難なため、プリズム研磨業者に依頼すると高価(5〜6千円)なものとなり、またプリズムの精度も不正確であったため、満足のいく映像を得られるものではありませんでした。
そこで弊社では試行錯誤の末、専用研磨機の開発に成功。16面体プリズムの社内量産化を実現しました。これによりわずか300円程度の原価で、しかも正確な分角の16面体プリズムを作ることが可能となりました。世界中の同業者でこのプリズムを内作できるメーカーは他になく、フリッカーのない編集機を生産できるのは世界中で弊社のみとなり、弊社は他社の追随を許さない8ミリフィルム編集機メーカーとして、自社ブランド製品の国内外販売はもとより、国内外著名メーカーのOEM生産も増大し、編集機業界での世界最大手メーカーとなりました。
GOKOの歴史的製品紹介